「この世界の片隅に」感想。
最近段々と話題になってきて、上映館数も増えるらしい「この世界の片隅に」。
クラウドファンディングで資金集めをしていたらしく、元々全国で上映される映画館も2ケタという、小規模な映画が口コミで広がったらしいです。
かく言う僕も、ひと月前あたりからTLでちらほら見かけるようになって、たまたまその月に観に行きたい映画が無さそうだったので行ってみたって感じです。
今はもうTVでも特集が組まれたりするほどらしいので、大体のストーリーを知ってる人も少なくないとは思いますが一応軽く言うと、、
太平洋戦争下の広島を舞台に、主人公のごく普通の少女が見ず知らずの土地へ嫁いで、慣れないながらも生活を送るっていうストーリー。
え?!これだけ?って思ったそこのアナタ。言い方悪いけど、本当にこれだけです。戦時下日常系ストーリーみたいな感じ。(映画から入ったので原作に関してはあまり詳しくないけど……)
身寄りが戦火の犠牲になって、独りで生き抜くしかない!!とか、恋人の帰りを日本で待ち続ける!!とかも無し。主人公のすずの生活がずっと描かれてる。(もちろんすずとか周りの人にも戦争の悲しい影響は及ぶけど、あくまでそれがメインでは無くて、すずの生活がメイン)
ただ生活してる所を観て何が面白いんだ?って言われそうなので、良かったところ大きく2つに……
➊日常と戦争の描写
変わらず続いていくはずの日常の中に戦争が徐々に徐々に侵入してくる。
あの戦争を追体験することは出来ないんだけど、日常にスルスルと戦争が入り込んでくる感じの描写にはリアリティを感じた。
でも良さはそんな暗いコトばかりじゃないからご安心を笑
この映画の良さってのは「よつばと‼」にも通じる面白さで、日常の中の少しおかしい出来事とかクスっと笑えることが、とてもほっこりさせてくれました。
あんまりよく知らなくて、最初聴いたときは手嶌葵かな?とか思っちゃったけど、全然別の人です笑
暖かさと寂しさが同居してる感じがストーリーにマッチしてた。映画化することの利点ってこういうところにあるよね…
これだけじゃなくて、背景画とか広島弁とか他にも良いとこありました。あとは是非劇場で…って感じです。
君の名は。感想書き足し。※一部ネタバレ&変態注意
観に行った日に感想を書いたんですが、ちょっと批判になっちゃいました。
でもちゃんと思い出せば、良いところも沢山あったよね!!
➀男女入れ替わりという設定
三葉と瀧の身体が入れ替わることですから、男女が入れ替わることになります。
さぁ皆さん想像してみて下さい、朝起きたら女の子の身体になっている自分を!!
劇中でも瀧くんは三葉のOPPAIを揉みに揉みます。
そんなに揉むかってくらい揉むシーン出てきます。
そして、ここで私の個人的OPPAI論を展開させてもらうと、私はアニメといえどもデカ過ぎないリアリティのあるOPPAIが好きなんですが、その点から言っても揉み揉みシーンは良かったです。(真顔
あと、新海監督はこの男女入れ替わりというテーマにおける最大と言っても過言ではないイベント、「トイレ」からも逃げません。
瀧の身体の三葉がトイレに行った後「リ、リアル…」
まぁ変態感想を書いてしまったあとになんですが、男女入れ替わりがあるからには、その辺の描写もボカさずに描いて欲しいと思ってたので満足です。
②時間系SFのようなストーリー
前で述べたように、瀧と三葉の身体は入れ替わるわけですが、この映画ではただ入れ替わってるだけじゃありません。
これは話が進んで行くことで分かるんですが、2人の居る世界と時間は微妙にズレています。
このズレを理解するのに重要なのが、三葉のおばあちゃんがやっていた「組紐」です。その組紐をやりながらおばあちゃんが三葉と妹の四葉に語ったように、紐は互いに結び付いています。
つまり、三葉と瀧の居る世界線が違っていて、身体が入れ替わって目覚める時は互いの世界線が交わった時、というように僕は理解しました。
そうすると、瀧が糸守に着いた時にはもう3年前の隕石の災害で三葉はおろか糸守すら無くなっていたことや、ラストに2人が出会うところが説明できると思います。
あと、三葉たちが口噛酒を供えたあの場所も関係してるでしょう。
こういう、時間と空間みたいな話好きです。
➂神木隆之介の演技
女の子が男っぽい喋り方になったりするよりも、男が変にオカマっぽくならずに中身が突然別人格の女の子になったことを表現するほうが難しいと思います。訛らないといけないし。
その点神木君は良かったと思います。声が合ってたってのもあるんでしょうけど。
君の名は。を観た。※ネタバレ有り
君の名は。観てきました。
普段なるべくネタバレせずに如何にして感想を書くかということを考えてブログを書いていますが、今回は内容にある程度言及せずには言いたい事言えないので今回はネタバレ注意ということで…
新海誠作品は恐らく全て観ました。それで割りと作品全体的に好きだったので、新作である君の名は。のニュースが流れた時は結構ワクワクしてました。
こんだけ宣伝されてて、新海誠を観たことが無いような人とかが最高だった !って言ってるこの新海作品は一体どうなってるんだ、と観る前から戦々恐々。新海誠の映画が当日に行って席が取れないって……(新海監督失礼しまして……
ここから感想。↓↓↓
全体としてはストーリー構成や伏線張りとその回収は上手いこと出来てて、良く出来た映画だなと思いました。飽きることは全くありませんでした。
でも、う〜んと思ったところは幾つかあって……
まず三葉と瀧の関係性。2人が入れ替わる日を重ねるごとにお互いを認識していきます。実際には会ったことないのに、お互いの事を知っている。
と、ここまでは良いとして、次に思ったのは
「お前ら好き同士なんかい」
会ってみたいという気持ちになるのは分かるんです。でも、もうちょっとお互い気持ちが通じ合っていく感じとか、それぞれの感情の移ろいとか、描写があっても良かったのかなと思いました。
でも、多くの人が最高良かったって言ってるってことは違和感無いってことなんでしょうか……
でもでも、秒速言の葉ではもっと登場人物の感情が細かく描かれてたような…
そして、ラストのシーン。
ストーリーが進めど、2人が面と向かう ことはありません。時間的な空間的なすれ違いというか、やっぱりフィクションだからこそ書けるものってあるよなって思いました。近いはずなのに遠い、遠いはずなのに近い。切ないです。
このまま会えないままラストに引っ張って、最後2人は邂逅を果たします。
「出会っちゃうんかい」
微妙なすれ違いを繰り返し、2人はお互いの事を知ってるはずなのに思い出せない。
こういう切ないまま、2人は遂に出会えなかったけど、でもお互いの事を知っている……そんな感じで終わってくれるかなと、
RADの曲ガン推しもまぁ良し悪しだと思いました。
特にファンじゃない人からすると、急に現実に引き戻されるような感覚になりました。OPとEDくらいでも良かった気がします。
文句ばっかみたいになっちゃいましたけど、観てるぶんには全く飽き無いし、面白かったです。終盤にカップルがイチャつきたくなるのも分かるね、
でも多少違和感がありましたよって話。
何か絶賛絶賛で売れに売れてるから、こういう感想も少しくらいあっても良いんじゃないでしょうか。
傷物語熱血篇 「劇場版」ってのはなぁ、こういうののことを言うんだよぉ!!!
実際には公開日に観に行ったんですが、ちょっとブログから手が離れてたもので。
傷物語。劇場版になるなる詐欺かと思いきややっと公開したこの作品。
鉄血篇の時はこのブログ開設してなかったので、熱血篇からの感想です。ちょっと今更感あるかもしれないけど、ご了承を。
一言で感想を纏めると「ちゃんと劇場版してた」ですかね。
と言うのも、ます映像がTVアニメシリーズのものとは全く違います。作画も全然違う。
この「違う」というのは勿論良い意味で、どう違うっていうのを文章で書き表すのは中々難しい。僕の文章力の無さというか百聞は一見にしかずというか……
まぁ、劇場版にするにあたってTVシリーズから根本的な部分は変えずに変えるところは変えたって感じですかね…
だから小説で内容は把握してても、新鮮な感じで楽しめるんだと思います。
小説や漫画、TVシリーズの映画化ってのは無数にあるんですけど、原作をただなぞっただけだったり劇場版サイズにストーリーを縮めて違和感出たりすることもあると思います。傷物語ではそれを感じない。
あと、劇場版になって作画とかのデザイン的な部分の雰囲気が変わるってのは割りと珍しいんじゃないかと思います。単に映像が綺麗になってたり、音が良くなってるとかじゃない。
だから観終わった後の満足感が大きい!!
ただ、一つ言わせてもらうとすると、3部作のそれぞれの間が空きすぎるぜアニキ………
3部作イッキにまとめて超大作にするか、連続公開みたいにするかした方がいいんじゃないかと。そのほうが観終わった後の興奮の熱量を持続させたまま行けるんだけどなぁ…
って言っても次作が楽しみであることに変わりはありません!
シンゴジラ2回目に行ってきて……
シン・ゴジラ2回目観に行ってきました。
2回目だってのにワクワクすんなぁ〜前回買い忘れたパンフレットも買おっと♫ ってルンルンしてたら…
スタッフ「現在このお時間の上映では最前列のみご案内となります。」
俺「…」
いや、正直ナメてました。確かに久々の良い映画だとは思ったけど、公開から少したってパンフ売り切れて映画館は満席って…… そんなに老若男女ウケするんかいな……
気を取り直して2回目鑑賞。
・謎を呼ぶシーン
まず注目して見たのは東京湾に浮かぶ無人船のシーン。
後々教授が乗っていた船だと分かるわけですが、このシーンはとても謎をよびます。教授とゴジラの関係とは……
教授がゴジラ化して東京を襲ったという説。
船の中で揃えて置いてある革靴。☓印の着いた東京湾の地図。こういった状況を考えると、この説も説得力があります。なぜなら、ゴジラが教授でないとするなら、何故教授はわざわざ東京湾まで行ったのか説明に困るからです。単なる入水自殺にしても、死体すら上がらない。
でも、後半に「米政府がゴジラの存在を隠匿していた…」みたいなセリフがあります。教授はアメリカに渡って研究をし、ゴジラという放射線を喰う生物の存在自体を発見していたなら、ゴジラは教授ではないでしょう。しかし、ゴジラのような生物の出現を予言していただけなら、予言しといて自分がゴジラになったというのもあり得る……
まぁどっちにしろ、教授があの船でゴジラを生み出すための何かをしていたのは確かだと思います。単に教授自体がゴジラに変身したってだけではなくても、入水自殺以外に居なくなってしまうような何かがあったのかも……(幼体のゴジラに自分を食わせたんじゃないかって言ってる人も居た)
ここでいきなりラストに飛んじゃいますけど、謎を残すようなシーンを思いついた順に上げてきます。
まぁ尻尾ですね。
人骨のような、でも背ビレがあったり外見が少し人と違ったり。結論から言っちゃうと、巨災対の学者が言ってた「無性生殖による個体の増殖」だと思います。
ゴジラが一時活動を停止したときにあった、尻尾の何かがズレてガチンと音が鳴るシーンが尻尾の進化の契機で、そこからさらに進んで最終的にはあそこから個体が増殖するってことだと思います。
まぁ見た目が巨神兵っぽいのは、庵野監督ならではかなと。ゴジラのビームの感じも巨神兵っぽいし。
細かいシーンで言うと、
教授が乗っていたと思われる無人船の中に残されていた、宮沢賢治の「春と修羅」。あんなにはっきりと分かるように映るからには何か意味がある気がします。
「おれはひとりの修羅なのだ」(『春と修羅』より)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1058_15403.html
教授の残したデータを紐解くヒントになった折り鶴と合わせて、発見した人たちへの何らかのメッセージか……
疲れ果てた巨災対メンバーたちのもとに響くゴジラデモ。
「ゴジラを殺せ」と言ってるように聞こえますが、それ以外にも何か言ってると思いました。
(僕は「ゴジラは神だ」と言っているようにも聞こえました。)
・個人的に好きなキャラクター達
➀矢口蘭堂
長谷川博己は前回の記事で推したので今回は控えます…
妙に僕のツボにハマってしまった蘭堂という名前。カッコイイんですが、どういう意味なんでしょうか。
もちろん、かっこいいのは名前だけじゃないです。
②花森防衛大臣
「やりますよ!総理!」の人。余貴美子が格好良かった。
あんな人が防衛大臣だったら頼もしい。
防衛大臣時代の小池百合子……?
③里見農水大臣
突然総理大臣のポストが空いたために、ひょっこり総理になっちゃったって人。
「簡単に言わないで欲しいなぁ〜」
「こんなことで、歴史に名を残したくはなかったなぁ〜」(セリフは正確じゃないかもですけど、まぁもしジアートオブシンゴジラ買って完成台本が手に入ったら確認します。)
といったセリフからもわかる通り無能……と見せかけて頑張るんです。
なんなら熱核攻撃を免れヤシオリ作戦が成功したのも彼のお陰と言って過言ではないと思います!
他にも、大杉漣演じる大河内総理とか、市川実日子の尾頭課長補佐とか…いいキャラクター他にも居ますけど、まぁこれくらいで割愛……
・最後に一言言いたい。
何かシンゴジラ評論みたいなのがTwitterやニュースサイトで見られるようになってきて、思ったことがありました。
「日本TUEEEEEみたいな右傾エンタメだ」とか、「現実☓虚構って言ってるけど、日本の政治なんかあんなに上手く行かないから、現実の部分も虚構じゃん」とか……
はっきり言って、こういうこと言う人達らエンターテイメントってことを分かってないと思います。
ドキュメンタリーじゃないんですよ、これは。
上手く進み過ぎてる部分とか色々あるかもしれないけど、フィクション映画として見せるためにある程度必要なことです。全体的な構成として違和感が無ければツッコムようなことでもないような……
批評するならもっとマトモな観点があるでしょ。
ここらへんのことは宇野常寛さんがシンゴジラ評で言ってました。http://thursday.jp/archives/596
まぁ意見は人それぞれかもしれないけど、これはちょっと…と思ったので長々と失礼しました。
・本当に最後に…
初めて映画館に複数回足を運んだ映画でした。
何の気無しに観に行った映画がここまで心に残るとは思わなかったです。
庵野監督オツカレサマ……シンエヴァも頑張ってください………
(あと、庵野監督のナウシカ続編も観たいなぁ………なんて……)
シン・ゴジラ感想 ブログ開設しといてよかった……
長い間解説したまんまで放っておいていたブログがここで役に立つとは。暇だったからという理由で急遽観に行ったシン・ゴジラが予想の10倍近くハマったから感想書かずにいられるか!!
まず映画館入ってすぐの広告に「現実×虚構」のキャッチフレーズ。ここでもう単なるパニック映画ではないことが期待できる。この「現実×虚構」のコピーは上手いこと言っていて、庵野は言いたいことをこのコピーに込めてると感じた。(これまでのゴジラが単なるパニック映画だとは言っていない)
キャストは超が着く豪華。主役が長谷川博己で、しかも役どころがキレ者の官僚。名前は矢口蘭堂。長谷川博己ってだけで最高なのに、矢口蘭堂ですよ。子供が産まれて男だったら間違いなく名前は「蘭堂」です。それはさておき、主役が官僚ってことで主要な登場人物は殆ど政治家。ゴジラの相手はニッポンそのものってことですね。
まぁここからはゴジラ登場に際しての官邸の混乱が描かれる訳です。(まだ1回しか観てないから、ここから順を追ってくのは私の海馬的に厳しい。劇場2回目必至)
ここからは、単純に本編を見た中で個人的に心にビビビッっと来たところを……
劇中の字幕。もう専門用語だろうが法律の条文だろうが関係なし。こういうの大好きなんです。庵野!!そのままバシバシ行ってくれ!!って感じ。
音楽。鷺巣詩郎が音楽ってのは聴いてたけど、実際文句なし!!作戦会議のシーンでエヴァでお馴染みのアノ音楽が流れることはもちろん高まるんですが、でも伊福部さぁぁぁんってシーンもあります。やっぱりBGMって大切ってことを痛感。
テンポの良い脚本。主人公が官僚ってだけあって、相対するのはゴジラではなく政界の面々。単純に怪獣出ました!自衛隊出動!とはいかない訳です。つまり、劇中のセリフは主に政治的な会話か対ゴジラ戦略の会話。やり取りのスピード感と緊迫感が良かった。
バランス感覚。政治ドラマ的側面はありながら、お堅い感じは無い。主人公のアツいシーンはあるけど、臭くはならない。庵野の思い入れはジワーっと伝わってくる感じ。
まとめると、インパクトはありながら違和感は無いという、久々のイイ映画でした。映画館で観れてよかった。
歴代ゴジラファンでも映画に造詣があるわけでも筋金入り庵野ファンでも無いから、シン・ゴジラを「論じる」ことは出来ないけど、間違いなく観た後にウワァァァァァアァァアってなった感動はあった。